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体臭の原因となる食べ物と臭いの悩み解消薬膳

 

 

暑い日が続くと汗をかくことが多くなり、自分の体臭が気になるというお悩みを聞きます。

 

汗を出す汗腺には二種類あるのをご存じでしょうか?

 

エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。

汗の臭いがきつい場合や、口臭、頭皮の臭いなどの原因となる食べ物とその悩み解消を、それぞれの汗腺から出る汗と比較して薬膳の視点から解説します。

 

汗の発生メカニズムと臭いの悩みになる原因

 

エクリン汗腺は全身の皮膚に分布し、本来、エクリン汗腺から出る汗そのものはほぼ無臭です。

中医学的に言う必要な水分の津液を使い、体にこもる熱を冷ますために五臓の肺の力で汗を出します。

 

体温が上昇しなくても、皮膚表面が乾燥しないよう、適度な潤いをキープしているのも肺の働きとされています。

潤いのバリアですね。

 

この汗は、水分と塩分、ミネラルなどで構成されていて、臭いの元となる成分がほぼ含まれていないため嫌な臭いの元にはならないのです。

 

でも、皮膚の常在菌の作用や脂肪や垢等と混ざり、嫌な臭いとなることがあります。

これは、汗を拭いたりシャワーで流すことなくそのままにしておくことや、汗をかいた衣服を着たままでいることなどが原因です。

 

つまり、汗の処理をすればある程度は防げる臭いなのです。

 

けれど、汗そのものが原因の臭いもあります。

 

もう一つの汗腺、アポクリン汗腺から出る汗です。

 

体臭となる汗の成分

アポクリン汗腺は、腋の下、乳首、デリケートゾーンに分布します。

 

アポクリン汗腺から出る汗は、タンパク質、糖分、鉄分、アンモニア、脂肪物質などさまざまな成分を含みます。

 

これらが、体の脂肪酸と混ざったり皮膚の常在菌によって分解されたりすることで、エクリン汗腺から出る汗より強い臭いとなりやすいのです。

 

 

アポクリン汗腺の量が多いとワキガになると言われますが、体から出る様々なものは体の中で作られたもの。

 

中医学では、食生活やストレス、生活習慣なども原因となると考えます。

 

体臭となりやすい食生活とは?

体臭の元になるのは、食事の偏り、老廃物がスムーズに排泄されないこと、胃腸の不調、ストレスなどです。

 

その中でも、気を付けるだけで体臭の変化が分かりやすいのが食事です。

 

脂っこい肉や時間の経った揚げ物、砂糖がたっぷり使われたスイーツ類や菓子パン、海藻やきのこ類、野菜などの食物繊維を摂らない食生活、アルコールの飲み過ぎは体に熱を加え、腸内で悪玉菌を増やします。

 

 

体の中に粘るヘドロ状態のものが量産されるイメージです。

 

中医学では、体の構成要素である「気・血・津液」は十分な量があり、それらが巡っていることが健康のバロメーターとします。

 

ヘドロ化したものは流れも悪くなり、淀めば淀むほど臭いもきつくなるのは溜まった水と同じですね。

 

体臭と関わるストレス

ストレスと関わるのは五臓の肝です。

 

ストレスを抱えている状態は「気」の流れが滞っている「気滞」。

 

肝は自律神経や血の貯蔵と深い関係があります。

 

汗の量を調整するのは自律神経なので、緊張したりストレスが多い時は普段より汗をかきやすくなりませんか?

 

中医学ではストレスは熱と捉えます。

 

ストレスがある度にスイーツ類やあるコールを飲食していると(アルコールを飲むと時に揚げ物を食べているケースも)ヘドロ状のものを作り出し、さらに熱を加えているので体臭がきつくなりやすいのです。

 

 

腋に分布している経絡(ツボとツボを繋ぐ線のこと。実際に目に見えるものではない。)は肝と胆が担当する部位。

 

ストレスからの臭いのきつい汗になるケースは中医学で「肝胆湿熱」と言われるものの可能性があります。

 

臭いの悩み解消薬膳

臭いの悩みを解消するためには、溜めない、溜めるもとになるものを摂らない(少し食べる程度は良いですがその場合は、食べたものの影響を減らすための食べ合わせの工夫が必要です。)ことが基本。

 

体の中の巡りが悪い場合は、食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類を中心とした食事を続けてみることをお勧めします。

 

臭い対策には便秘解消を

 

便秘がちな場合は、便秘を解消するだけでも臭いの元が減る訳です。

 

胃腸が弱ると水分代謝が悪くなるため、胃腸を弱らせないことも大切です。

 

味噌や納豆、ぬか漬けなどの発酵食品で善玉菌を増やしましょう。

 

 

また、消化を助ける野菜の代表、生の大根やカブなどには食物繊維が豊富です。

 

未消化物がいつまでも胃に存在しているとゲップや口臭等でも気になる臭いの元となります。

大根サラダや大根おろしを食事の時に食べるようにしましょう。

 

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海藻類にも食物繊維が豊富ですが、中でもめかぶに含まれるねばねば成分のフコダインは腸内で発生した臭い成分を包み込み便として排泄させる作用があると言われています。

 

めかぶと大根おろしのポン酢和えなどは両方を兼ね備えた臭い対策薬膳の一つです。

 

ストレスがある時の体臭対策

ストレスがある時の臭い対策は、ストレス発散方法を食べ物やアルコール以外にも作ることです。

 

食べ過ぎてしまったり、スナック菓子、ジャンクフードを食べていると、体臭の原因になりがちです。

軽い運動をするとか好きな音楽を聴くなどをストレス対策の一つにしてみては?

 

また、日頃から香りのよい柑橘類や、花やハーブの香り、紫蘇やみつば、みょうが、セロリ等の香味野菜は気を巡らせることができます。

食事の際は、薬味や料理の最後にトッピングすることでふわっと香る芳香で気を巡らせストレスを解消しやすくなります。

 

生魚である刺身や寿司に使われるわさびや紫蘇などには抗菌作用があるので、これらを使うことで口腔内の雑菌の発生を抑制させて口臭予防にも。

 

まとめ

 

体臭は、日頃よく食べている食べ物やストレス関係するため、食生活の見直しとストレス解消方法を食事やアルコール以外でも作っておくことが大切です。

臭いの原因となるのは、巡りの悪さが原因の事が多く、食生活から腸内環境が悪化して便秘になることも関係します。

 

便秘を解消しながら、溜まりやすくなりがちな食べ物・飲み物をセーブしたり、ストレス解消として香りの良いものを取り入れる等でも変化が見られる可能性があります。

 

体に老廃物を溜めないことや溜めるもとになるものを食べ過ぎない事と同時に、食べた食材の影響を減らす「なかったことにする薬膳」も取り入れてみてください。

 

まずは、脂っこい肉や時間の経った揚げ物、砂糖がたっぷり使われたスイーツ類や菓子パン、海藻やきのこ類、野菜などの食物繊維を摂らない食生活、アルコールの飲み過ぎなどを控えてる日を週に数日作り、代わりに野菜、きのこ類、海藻類をたっぷり食べる日を作りましょう。

 

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「なかったことにする薬膳」と「簡単エイジングケア薬膳」でアラフィフをサポートする簡単エイジングケア薬膳講師。お惣菜でも外食でも選び方の理論が分れば薬膳になる。レシピが無くてもコツを掴んで実践できるとご好評。個人セッションも受付中。 薬膳食療法専門指導士。中医学と薬膳を学んだ後、多忙で食事が手作りできない人でも取り入れられる簡単エイジングケア薬膳講座を展開。日本全国より受講される。

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