昼休み時間が短いパートでも、工夫次第で栄養が摂れます。
家に帰っても食欲がなく何も食べなかったり、逆にお菓子の一気食いを招いてそれが積み重なることの不調は簡単に飲食できるもので。
主食・主菜・副菜のルールを基本に考えるおすすめ補助食のご紹介です。
正社員であれば昼休みの休憩時間は1時間が一般的です。
ですが、小学生のお子さんが学校から帰る時には家にいてあげたいと言う理由から、パートを選ぶ女性も少なくありません。
パート主婦の目的の多くが子供の塾代。
子育てで一番お金がかかる時期であり、自分自身も更年期の不調に悩む時期と重なります。
正社員、パート、アルバイトに関わらず、労働者に対し雇用者は労働時間によって休憩時間を与えなければならないことは労働基準法で定められています。
これに違反すれば雇用者は罰せられる法律です。
パート勤務でお子さんが帰って来るまでに家に帰るとなると、9:00~15:00まででの6時間。
労働基準法では、6時間を超えると45分の休憩と定められています。6時間以内であれば、原則、休憩は不要となるため9:00始業で15:00まで休憩なしは法律的には問題ないのです。
6時間を超える勤務をすることにより45分休憩がプラスされ帰宅時間が遅くなるより、6時間以内に抑えてその分早い帰宅時間を望む労働者側の選択もあります。
ただ、トイレに行ったり水分を補給するなどの、人の生理現象に関する時間は取れるはず。
特に、気温が高い時期の屋外やそれに近い環境下の体力を使う労働の場合、水分補給や軽食を食べられる休憩時間の確保が、労働者の健康維持と作業効率維持に不可欠です。これは雇用者側も考えている事でしょう。
その場合でも、30分もしくはあっても15分でいわゆる昼食を摂るだけの十分な時間はありません。
そういう形態の仕事をしている人の中には、帰宅しても食欲を感じないため昼食抜きになる人や、わざわざ昼食を摂ることなくスナック菓子などで空腹を満たしてしまう人もいます。
一時期だけのものならまだしも、それが長期化すると栄養バランスに少しずつ影響が出てしまいます。
更年期世代は、この積み重ねが間接的に不調を招かないとも言えません。
そこで、ここではパートで昼休みが短い人や昼休みが無い人におすすめの軽食を薬膳の視点からご紹介します。
※ 労働強度は考慮に入れていません。あくまでも昼食の補助食として考えています。
昼休みが短くても主食・主菜・副菜が摂れるもの
食事の基本は、主食・主菜・副菜がどれも欠けることなく摂れていることが理想です。
■主食 ご飯・パン・麺類・パスタ
■主菜 肉・魚・玉子・大豆製品
■副菜 野菜・きのこ・芋類・海藻類
何度か休憩が取れるなら、副菜、主菜、主食と三回に分ける方法があります。
2005年に厚生労働省と農林水産省が共同で発表した「食事バランスガイド」では、主食・主菜・副菜にプラスして牛乳と乳製品・果物をどんなものをどれくらい食べたかについての目安を1日に摂るべき摂取量として表しています。
毎回の食事で全てが摂れなければ次の食事で補えば良いと言うことです。
副菜になるものからおすすめして行きます。
暑い日なら体の熱を冷まし汗で失った水分をすばやく補えるトマト。その中でも箸などを使わずに手早く食べられるプチトマトや一口サイズに切ったきゅうりがおすすめです。これらの夏野菜は、体を冷やす性質なので常温でも体の熱を冷まします。
これなら水分補給の代わりにもなります。
主菜としては、パサつくと飲みにくく時間がかかる場合は、小さいサイズの豆腐や飲み切りサイズの豆乳、魚肉ソーセージなら手早く飲食できます。
コンビニなどでも買える豆腐バーは、枝豆やひじきが入ったものもあり主菜+副菜が同時に摂れます。
豆腐や豆乳は、体の乾燥を補う効能があり白身魚を中心に使った魚肉ソーセージは、白身魚が胃腸の調子を整えて浮腫みの解消にもおすすめです。
主食としては、小さめのおにぎりがおすすめです。中に何か入って入れば、それが主菜にもなり、海苔が巻かれていれば副菜も摂れます。
ご飯が黒豆ご飯だったりひじきご飯ならエイジングケアと関わる五臓の「腎」の底上げになり更年期世代におすすめです。
炭水化物は糖質に変わり、体のパワーが補給できます。薬膳では「気」を補うことになるのが米を炊いてできるご飯です。
糖質は脳の栄養となるため炭水化物を摂らずに長時間過ごすと、甘いお菓子が欲しくなってしまいます。
仕事が終わった休憩時間に、少し食べるのは緊張を緩めるので良いのですが、血糖値が下がっているため一気に大量に食べてしまいがち。
それより、休憩時間におにぎりを食べておけば、お菓子の一気食べ予防になります。
パンが食べやすいのであれば、菓子パンよりサンドイッチ。ミックスサンドがおすすめです。
ミックスサンドなら、主食の他に玉子やハムで主菜が摂れ、レタスやきゅうり、トマトなどの副菜も摂れます。
昼休みが短くて飲み物しか摂れない時は、飲み物で工夫する
休憩時間が15分ずつで、食べることが無理な場合は、飲み物で摂れるようにします。
朝から野菜が取れていないなら、なるべく繊維質が残っている野菜ジュース。
主菜・副菜を入れることができる具だくさんの味噌汁をスープジャーに入れて持って行く。
予め具を小さめに切っておけば、最悪、箸が無くても食べられます。
暑くて飲めない場合は、常温で持って行っても良いでしょう。
夏の郷土料理、冷や汁感覚で美味しくいただけます。
その他、ミネストローネやポタージュ系もスープジャーがあれば家から持って行けますよね。
まとめ
パートで朝から働いていても、昼休みが無かったりあっても時間が短くて昼食が十分摂れなくても、工夫次第で補助食が摂れます。
また、労働災害を防ぐことにもつながるため、毎回食べない、食べても菓子パンだけとせずに簡単なものでも少しずつ摂って行きます。
その際、基本の食事同様に主食・主菜・副菜を少しずつピックアップして行きましょう。
特に、事務仕事以外の場合は水分補給と共に栄養補給が大切です。
更年期世代は、だるさややる気のなさ、汗が止まりにくいなどの悩みも多くなります。
少しでも不調の原因になることを減らして行きましょう。
パワーである「気」は必ず何かの形で、水分は水やお茶だけでなく栄養が補給できる野菜ジュースやスープ類も加えましょう。
※職場の健康経営を推進するための健康経営アドバイザー(東京商工会議所)が推進する19の具体的ポイントの一つに、労働者一人一人が食生活の改善を心がけるだけでなく、職場でも自ら正しい食事を選べるような情報提供、実践活動に取り組むことをすすめています。
休憩時間などの労働管理は働く個人の努力だけでは改善が難しいものです。
健康的な食事時間の確保のために、健康経営の観点から、食習慣を従業員の健康と作業効率向上、仕事へのモチベーション向上に力を入れている企業を選択することも視野に入れましょう。
【参考】
スマート・ライフ・プロジェクト