ウリ科の野菜、冬瓜はきゅうりやスイカのように夏バテ予防に効果のある野菜です。
また冬の瓜と書くのは、切らずにそのまま保存しておくと冬まで保存ができるため。
それは果肉部分が硬い皮に守られているからです。
かぼちゃのように皮ごと煮て食べても良いのですが、トロッと柔らかい果肉に対して煮てもそこまで柔らかくならない皮の歯ざわり。抵抗がある場合があります。
そんな時、皮は捨ててしまいますか?
冬瓜の皮にも効果があります。捨ててしまうのはもったいないです!
そこで、無理せず皮の栄養効果を得る方法を薬膳の視点を取り入れてご紹介します。
冬瓜の栄養効果は?
薬膳では、冬瓜自体に体にこもった熱を冷ます性質があると考えられていて、皮はやや冷やす微寒性、種は強く冷やす寒性、果肉は寒涼性に属します。
冬瓜の主な栄養効果は、体にこもった熱を冷やす性質により暑気あたりに良いとされますがこれは、特に果肉の90%以上が水分なのでこの水分で冷やされると考えます。
また、豊富に含まれるカリウムで利尿効果もあります。
更にデトックス効果も言われていて、これは水分に溶けにくい不溶性食物繊維が豊富に含まれていることからも分かります。
つまり冬瓜には、暑い時期に汗で失った水分補給をしながら、体に溜まりやすい不要な水分代謝を促し浮腫みやデトックス効果があるということです。
そのため、古くから民間薬として浮腫み、膀胱炎、腎臓病などに使われていました。
また、ビタミンCが豊富なため、日焼け対策や粘膜の乾燥から体を守る効果もあります。
外では汗で体に必要な水分を失いますが、エアコンの効いた室内に長時間いると呼吸器は乾燥しがちです。
初秋になると、日中の気温は真夏並みに上がりますが、真夏との違いは空気の乾燥です。
エアコンと外気で乾燥する呼吸器の粘膜にも、日焼けによるシミやソバカスにもビタミンCが豊富な冬瓜を食べない手はないでしょう。
冬瓜は部位それぞれに栄養効果がある
冬瓜を、皮、果肉、種とワタの3つの部分に分けてみます。
実は、皮、果肉、種とワタ、全ての部位に栄養効果があります。
皮は冬瓜皮(とうがひ)、種は冬瓜仁(とうがにん)冬瓜子(とうがし)と呼ばれる生薬です。
完熟した種を使う冬瓜子は、五臓の「肺」に良いとされ余分な熱を冷まして痰の切れを良くしたり膿を排泄する効果も持ちます。
では、冬瓜皮にはどんな栄養効果があるでしょうか?
冬瓜の皮の効果は?
冬瓜の皮には、果肉部分よりさらに利尿効果があるとされています。
食材として扱われているものよりも、漢方薬の材料になる生薬は効果が高いので薬として使われてきたのです。
冬瓜の皮は、必要な水分は補給し、浮腫みの原因となる体内の不要な水分は尿として排泄する。
その効果は果肉より高いので、捨てずに使いたいですね。
口触りが気になる時の冬瓜の皮の使い方
色々なサイトには、冬瓜の皮のきんぴらや、果肉と一緒に煮る、炒める、中には漬物にするというものもあります。
その食べ方が気になる場合は、剥いた皮を捨てずにエキスを煮出す方法を使います。
冬瓜の煮物、冬瓜と鶏ひき肉のあんかけそぼろ、冬瓜スープなどを作る時に、煮汁と一緒に剥いた皮を入れて一緒に煮こむのです。
この考え方は、香港など薬膳の本場のスープの考え方で、具は食べなくてもエキスを煮出し、エキスを吸った具を食べたりそのスープを飲んで効果を得るというものです。
これは、漢方薬を煎じて飲んだり、漢方薬膳茶の考え方とも共通です。
まとめ
冬瓜は皮にも栄養効果があり、むしろ生薬として漢方薬に利用されるほど果肉部分より効果があると言えます。
そのため、できるだけ皮も食べた方が良いのですが、歯ざわりの違和感などで美味しく食べられないのであれば、皮は剥き、その皮を煮出すことでエキスを得る方法があります。
これなら、浮腫みに良いとされる効果はスープや煮た具材に吸わせることで、皮自体を無理して食べる必要がありません。
薬膳は薬ではないので、一番大切なことは美味しく食べられることです。
皮も一緒に食べられない場合は、皮を一緒に煮出してエキスを出し、食べる時には取り除いてエキスの抽出された料理を美味しく食べてくださいね。
【関連記事】