薬膳講座を何度か聴いて、ちょっと興味が湧いたら食材の効果効能が知りたくなります。
自分が普段よく使う食材はどんな効果効能があるのかを知りたいし、逆に目的をもってある効果効能のある旬の食材は何かな?と調べることもあるでしょう。
そんな時に便利なのは『食材事典』です。
食材事典は栄養学の食品成分表とはちがう
似たものに、栄養学の食品成分表がありますが、薬膳の食材事典とは構成が違います。
まず、食材事典は成分では分けていません。栄養学だとある食材の重量から廃棄率を出して食べられる部分のカロリーを計算したり、含まれる成分、例えばたんぱく質の量、脂質の量という形で載っています。
食材事典では、その食材がどんな人に向いているか、どんな特徴があるか、五臓のどこに効果があるか、食べることを注意すべき人と言った書き方です。
最近では、栄養学と薬膳を合わせて一覧表になっものもあります。
また、食材の効果効能を中医学用語で書かれたものもあり少し高度ですが、中医学用語がわかるならぱっと見て文章を全部読まなくても分かるので便利です。
自分には、どんな食材事典が合うのかわからない人のために独断と偏見で、レベル別おすすめ食材事典をピックアップしてみます。
薬膳のレベル別おすすめ食材事典
薬膳の初めの一歩の方向け
●毎日使える 薬膳&漢方の食材事典(ナツメ社)
●薬膳・漢方の食材帳(実業の日本社)
二冊とも、写真や絵が豊富で見たことがない食材でもイメージが付きやすいです。目的別のレシピも少しついています。
薬膳・漢方の食材帳にはハンディ版があるので、私も持ち歩きにはコレを持って出かけていました。
もっと多くの食材の効果効能を知りたい中級の方向け
●東方栄養新書(メディカルユーコン)
●からだに効く和の薬膳便利帳(家の光協会)
東方栄養新書はイラストがありますが先にご紹介した二冊のようにカラーではありません。嗜好品や調味料についても薬膳の効果効能が書かれています。
からだに効く和の薬膳便利帳は、症状別の解説とレシピのページ、季節ごとに起こりやすい症状改善の食材の効果効能のページに分かれています。食材の効果効能とレシピがセットになっているので自分で薬膳を作る時の参考になります。
食材だけでなく漢方薬の材料生薬の効果効能も知りたい中級以上向け
●薬膳素材辞典(源草社)
●薬膳食典 食物性味表(一般社団法人 日本中医食療学会)
●中国伝統医学による食材効能大辞典(東洋学術出版社)
中医学の専門用語が使われているのである程度専門用語がわからないと、専門用語を調べるひと手間が必要です。
食材だけでなく生薬の効果効能も載っているため、本格的に薬膳に取り組もうと考える方は必須の食材事典です。
中国伝統医学による食材効能大辞典は日本で常食される700種以上の食材の効果効能をまとめた文字通り大辞典です(お値段も)
携帯に便利なのは薬膳食典 食物性味表で栄養学の成分についても書かれています。
その他
●五性五味帰経がひと目でわかる食品成分表(池田書店)
現代栄養学の食品成分表に薬膳で使われる五性(体を温める性質・冷やす性質・どちらでもない性質)、五味(酸苦甘辛鹹の五つの味)、帰経(どの経絡に働きかけるか)が加えられた食材ごとの一覧表です。
通常の食材事典にプラスして持っていると現代栄養学の視点で比較ができて便利です。
食材事典は一冊ではなく複数持っている方が良い
独断と偏見で、レベル別おすすめ食材事典をピックアップしましたがこれらは、私が実際に持っている食材事典です。
なぜこんなに?と思われるかもしれませんが、必要に応じて買い足して行ったらこうなりました(笑)
私達が食べているものは、多岐にわたっていて昨今ではスーパーフードと言われる海外からの食材も増えています。その食材がなるべく多く載っているものを探して最初は買っていました。
そして、始めは意味の解らなかった中医学用語がわかるようになると、少しでもたくさんの情報が一度に得られるものを求めました。
しかし、初めて買った食材事典を今は見ないかと言えば決してそうではありません。
それは、食材事典がパーセンテージなどで書かれていないものだからです。ある本には、平性(温めも冷ましもしない性質)と書かれていても別の本には温性と書かれている食材もあったりします。
なぜこうなるかと言うと、体感だからです。
エビデンスが無いから信じられないと言われる方もいらっしゃると思います。でも、食材は(食事は)その人が持っている自己治癒力を引き出すための物であって、その食材をどれだけ食べればその人の健康が維持できるという「薬」ではないからです。
※漢方薬の材料生薬は量が決められています。
なので、そのあたりは食べた時のご自身の体感や周りの人の体感で認識する俯瞰力も大切です。
レベル別おすすめ食材事典まとめ
初めからたくさんの食材の載っている辞典ではなくレベルに合わせて食材を増やしていくことが混乱しない秘訣です。
中医学用語が分れば多くの情報を一度に得られるので、中医学用語を勉強することを前提で中級以上向けの食材事典を持つのも良いでしょう。
はじめは一冊で良いですが、学びを続けるのであれば最低でも二冊の食材事典を持ち、比較してみることを心がけることでその食材の特性が暗記ではなくご自身が使えるものになるはずです。
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