最近、記憶力が落ちて暗記したことを直ぐ忘れてしまうとか、芸能人の顔は浮かぶのに名前が出てこないというアラフィフ世代のお悩みは、今のうちに何とかしておきたいものです。
と言うのも、認知症はタイプによっては記憶力の低下や集中力の低下と原因が同じだからです。
目次
認知症の種類は大きく分けると四つ
認知症の種類は現在分かっているものが四つあります。
《4大認知症》
●アルツハイマー型認知症
●前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症(前頭側頭葉変性症のひとつ)
●レビー小体型認知症
●脳血管性認知症
よく耳にするアルツハイマー型は、異常なたんぱく質が脳に溜まり、神経細胞が死んでしまい記憶を司る海馬から脳がだんだんと委縮していくというものです。
人格を司る前頭葉や言語を司る側頭葉が委縮し、人格が変わってしまい人の言っている言葉を理解できなくなるなどの前頭側頭型。
レビー小体と言う特殊たんぱく質が脳に溜まり、記憶を司る海馬から視覚を司る後頭葉までの広い範囲の血流が悪くなり機能が低下するレビー小体型。
実際には見えない幻視や夜中に奇声を発することもあるそうです。このたんぱく質はパーキンソン病の原因にもなりパーキンソン病患者が認知症を発症することがあります。
脳血管全体に起こる脳血管性認知症は、脳出血や脳梗塞などによって起こるもので、脳血管障害の大きさによって認知症の程度に差が出ます。
四つのタイプのうち、レビー小体型認知症と脳血管性認知症の二つのタイプが脳の血流と関連することが分かります。
アルツハイマー型認知症・前頭側頭型認知症は五臓の腎の弱り
脳が委縮してくるアルツハイマー型認知症を中医学で考えると、五臓の腎に蓄えられている生命力の源である腎精が減少することが原因と考えられます。
腎精は、骨髄や脳髄となり、骨や脳を作りますが、加齢と共に腎精不足になると骨が弱り骨の余りと言われる歯が抜けたり弱ります。
脳は髄の集まりと考えられていて、脳の事を髄の海(髄海)と言います。腎精が減少すると髄が作られなくなり脳が委縮するのです。
腎精を補充するために、薬膳では骨付き肉の骨から出る髄を食べることがエイジングケアになると考えられているのはここから来ています。
体のある部位を強くしたければ、その部位を摂るという考え方です。
レビー小体型認知症と脳血管性認知症は血が関係する
レビー小体型はパーキンソンに似た症状が出るのが特徴で、顔つきや体の硬直、歩き方が小股で前のめりになりがちです。
震えも出やすく転倒しやすくなります。
震えやこわばり、硬直などの症状は中医学的に考えると血の不足(血虚)から体内で低気圧の部分と高気圧の部分があるイメージです。
気圧の高い方から低い方へ空気が流れるように体内に風が発生すると起る症状と言われます。
認知症の20%を占めると言われる脳血管型は、脳梗塞や脳出血などの脳の血管障害が原因で起こることと血圧を下げる薬の乱用で、心臓より上部に上がる血流不足や流れの悪さなどによって引き起こされると言われています。
40代~50代のうちからできること
脳神経を死滅させないためには、老化が始まる40代~50代のうちに予防を始めることが大切です。
なぜなら、白髪になったり歯が弱り始めたらすでに五臓の腎が弱っていると考えるからです。
そして、日本女性は中医学でいう体の構成要素「気血津液」のうち「血」不足の血虚が多い事から、血を増やして脳への血流改善は今からでもできることですから。
腎の衰えを予防して血を増やし流す食べ物はコレ
1、出汁にこだわる
脳内伝達物質であるドーパミンを増やすことも大切です。
そのためには出汁をしっかり引くことで普段からできる認知症予防になります。
ドーパミンの原料となるのは出汁に含まれているグルタミン酸です。
グルタミン酸は、昆布に含まれています。
いりこや煮干しの出汁なら青背の魚に含まれているDHAやEPAで血栓予防効果が期待できます。
干した帆立やアサリなど貝類の出汁は腎の陰陽バランスの陰を補いメンタルの安定にも効果があると言われます。
干し椎茸の出汁は腎の補強になります。
2.血流改善を意識する
出汁でも出て来た青背の魚、アジ、イワシ、サバ、サンマなどを積極的に食べるようにします。
一時ブームになったサバ缶を使ったメニューでも十分です!
缶詰なら骨も皮も食べられるのでむしろ良いくらいです。
魚だけでなく、ほうれん草、小松菜、ニラなど緑の濃い野菜も血流改善の食べ物です。
3、しこりになる前のドロッとした不要な液体を出す
中医学ではリウマチの原因になると言われる不要な水分が粘度を増したもの。
ガングリオンもこれです。
これが血管内に付着すると血流を妨げるので、少しでもいらない水分は早めにカラダの外へ出してしまいたいのです。
ドロッとなるとサラサラの時より出しにくくなるからです。
ドロッとなってしまったら、昆布や貝類で出します。
これらの食材には軟堅作用があります。
4、健脳効果のある食材
薬膳では形がある臓器に似ているものは、その臓器を強くすると言われます。
脳の形に似ているくるみは健脳食材の代表です。
他にも、ピーナッツやアーモンドなどの種実類をおやつとして食べたり、白和えや粉にしてごまのようにして使ったりできます。
ごまだれに混ぜたり、ペーストにしたらたくさん摂ることもできます。
パンを家で焼く方は、パンに入れても良いですね。
5.腎を補う食材
腎精を溜めている腎の老化を予防する食べ物は、エビやうずらの玉子、山芋、黒ごま・黒豆など黒い色の食材と髄そのものである骨付きの肉がおススメです。
海老は調理すると腰が曲がるところから長寿の象徴としておめでたい席の料理に使われることが多いですよね?
縁起物と言うだけでなく実際に長寿のための食べ物だということなのです。
まとめ
記憶力低下を気にするなら40代~50代からの認知症の予防にもなります。
食べ物で意識するのは、五臓の腎の老化を妨げるための食べ物と、脳への血流改善の青背の魚や緑の濃い野菜など。
健脳効果のある種実類を食べることと、脳を作ると考えられている髄を補給するための骨付き肉を食べることです。
そして血流を良くするために、要らないドロッとした水分を早めに排泄するための海藻類や貝類も一緒に摂ります。
これは、受験生や勉強をしている人のための薬膳にもなります。
一度にたくさん食べるより、少しずつでも日々の食事に取り入れることが大切です。
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