冬に近づくとそれまでなかった静電気のトラブルに悩まされる方も多いのではないでしょうか?
玄関のドアノブ、車のドア、人に何かを渡そうとした時など、バチっと静電気が起こり触れるのが怖いと言う話も聞きます。
ところが、誰もが静電気に悩まされている訳ではないのも事実。
静電気が発生する原因がわかれば、対策も取りやすいですね。
そこで、静電気体質になる原因とおすすめの食べ物を薬膳の視点からご紹介しますね。
目次
静電気が起こる原因は三つ
静電気が起こる原因は大きく分けて三つあります。
■乾燥
■摩擦
■ドロドロ血
この三つが原因とされています。
一つずつ見て行きましょう。
空気だけではない乾燥
秋から冬は夏に比べて空気が乾燥する季節です。
乾燥と摩擦が静電気の原因ということは想像がつきやすいでしょう。
子どもの頃、下敷きで頭をこすると髪の毛が逆立った経験はきっと誰にでもあるはずです。
けれど、濡れた髪をこすっても静電気は起こりません。
なので静電気が起こる条件の一つは乾燥だと分かると思います。
空気が乾燥していると静電気は起こりやすくなりますが、小さな子供が車のドアを触ってもバチっとなることは少ないのでないでしょうか?
子供は大人より体に含まれる水分が多いので大人がバチッとなっても子供はならないのですね。
アラフィフ以降の女性に静電気の悩みを持っている人が多いのは男性より体に必要な潤いが不足しがちなためなのです。
空気の乾燥だけが原因なのではなく、静電気が起こりやすいのは本人の体の乾燥だということになります。
適度な湿度は、電気を逃がす性質があります。
わざわざ擦らなくても起こる摩擦
子どもの頃のように、わざわざ下敷きで頭を擦らなくても生活しているだけで様々なシーンで摩擦は起こっています。
人が動くと、空気と人、衣類と人、衣類と衣類などがそれですね。
二つの物の摩擦によってもともと持っているプラスの電気とマイナスの電気に偏りができることを帯電といいますが、この状態で少しずつ帯電し続けているのが人間。
人間はプラスに帯電することが多いため、マイナスに帯電したものと接触すると電気の偏りを元通りに戻すため、微弱な電流が流れます。
これを放電と言いバチっと痛い静電気が起こるのです。
プラスに帯電したものとマイナスに帯電したものが近づくとどうなるでしょうか。
マイナスに帯電した側のマイナスの電気は、プラスに帯電した側に戻ろうとします。バランスを取り戻そうとするためです。そして両者が触れた(極度に近づいた)ときに、マイナスの電気は、プラスに帯電した側に戻ります。このマイナスの電気が戻る動きを「放電」といいます。放電とはつまり「マイナスの電気の放出」であり、このとき、"もの"と"もの"との間には電流が流れます。
例えば、エレベータのボタンがマイナスに帯電していたとします。反対に、そのときに自分がプラスに帯電していたとします(人間はプラスに帯電しやすい性質をもっています)。
この状態でエレベータのボタンに触ると、マイナスの電気が自分の手に流れ込んできます。「放電」が起き、電流が流れているのです。感電(身体が電気に触れる)している状態で、人は痛みを感じます。(以上、静電気対策のノウハウを学ぶサイト 静電気ドクターから引用
ドロドロ血
健康な人の体は、血液が弱アルカリ性だと言われています。
けれども、現代人は酸性に傾き気味です。
体が酸性化すると血液のイオンバランスが乱れてドロドロ血になるのです。
ドロドロ血だと静電気が起こりやすくなります。
ドロドロ血だとプラスに帯電しやすいのでプラスマイナスのバランスの偏りからマイナスに帯電したものに触れると放電してバランスを元に戻そうとする先ほどと同じです。
これを中医学で考えると、体の潤い不足になると血液中の水分で補おうとします。
夏の暑い時期に大量の汗をかくと体は潤い不足の状態です。
その時ドロドロ血にならないように水分補給が大切だと言われますよね?
ところが、大量の汗をかかないから体の潤いが十分だとは言えないのです。
カラっと乾燥した日に洗濯物を干した状態を想像してください。
乾燥した日に洗濯物がよく乾くように、人の体も乾燥しやすいのです。
それでなくても潤いが足りなくなっているアラフィフ女性。乾燥の季節に静電気が起こりやすくなる訳はこれです。
なぜドロドロになるのか
女性は毎月の生理、妊娠、出産、母乳での育児など男性よりも物理的にも血が少なくなってしまう原因要素が多い性です。
妊娠すると、自分の血液を使って栄養を胎児に与え育てますが、出産後の母乳は血液の形が変わったものだと言われています。
このように、女性は男性より血液を失うことが多いため、意識して血液を作る素(食事)を摂る必要がありますね。
薬膳の基になる中医学(中国伝統医学)では体の構成要素を「気・血・津液」とします。
血は血液そのものを言うのではありませんが、水量の多い川の流れは勢いがあるのに対し、水量が少ない川は流れも緩やかになるのと同じくさらさらと流れません。
そこに、脂っこいものやアルコールなどの熱を加える食事を多く摂っていると、熱せられてドロドロになると言うのが中医学で考えるドロドロになる原因です。
静電気体質の人におすすめの食べ物
原因で書いてきたように、静電気体質の人の体は乾燥対策とドロドロ血にならないようにして行くことが大切です。
それには、細胞を潤わせる水分だけでなく、薬膳で言われる補血食材もおすすめになります。手に入りやすいものをご紹介しますね。
■体を潤わせる乾燥対策の食べ物
梨・白きくらげ・白ごま・ゆり根・れんこん・長芋・豆腐・豆乳、えのきだけ、エリンギなどの白いもの、潤いは陰陽の陰になるので陰の成分を持つ魚介類もおすすめです。
アールの付く月に食べると良いと言われる牡蠣をはじめとする貝類(アサリ・帆立・はまぐりなど)・イカ・タコなどのシーフードです。
■「補血」効果のある食べ物
薬膳で「補血」効果が言われているのは、牛や羊肉などの赤身の肉・レバー・黒ごま・黒豆などの黒い色の食材とぶどうやベリー類です。
ぶどうはレーズンでも良いですし、ベリー類のブルーベリー・ラズベリーなどはドライフルーツでもよいので意識して食べるようにします。
■サラサラのための食べ物
玉ねぎ・納豆・ニラ・高カカオのチョコレート・純ココアに含まれるカカオなどがおすすめです。
静電気対策に普段しておくこと
■クリームを塗る
空気の乾燥している時期は、食べ物に気をつけるだけでは乾燥は防げませんよね?
食べ物に気をつけた上で、乾燥予防の蓋としてクリームをお肌に塗ることも忘れずに。
せっかく増やした水分ですが、空気が乾燥している季節は、どんどん外へ蒸発してしまいます。
そのため、蓋や水分蒸発を防ぐラップとして必ずクリームを塗っておくこともお忘れなく。
クリームを塗るタイミングは手を洗って拭いた後すぐ!です。
少しでも表面の水分を閉じ込めるために。
■夜早く寝る
血液が再生されるのは、睡眠中と言われています。
特に、中医学では23:00~3:00は五臓の肝と胆が働く時間帯と言い、肝は「気・血・津液」の血を貯める働きをします。
ですから、いくら補血食材を食べても寝ていないと再生されないためしっかり睡眠をとることも大切です。
静電気体質の人におすすめの食べ物と予防法
静電気の原因となる電気を逃がすために、潤いアップさせる食べ物を意識して食べること、潤いには「血」も含まれるため「補血」効果のあるものもおすすめします。
また、普段から手を洗ったらすぐにクリームを塗る、しっかり睡眠をとることも心がけてください。
これで少しでも静電気体質から変われますように。
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