夏はカレーの季節ですね。
スパイスカレーや薬膳カレーを作ってみたいという方も多いと思います。
市販のカレールーを使ったとしても薬膳カレーはできると言えばできます。
それは、中に入れる材料の効能を知った上で選んでいれば、目的に合った薬膳になるからです。
逆に言うと、ルーを使わずスパイスを何種類か使って作ったいわゆるスパイスカレーでも、使われているスパイス以外の材料の効能を知らないのであれば、薬膳カレーとは言えないと考えます。
この記事では、ムシムシジメジメする日本の夏に食べる薬膳カレーや一品何か足したい時に使って欲しいひよこ豆とひよこ豆に合わせると効果がアップする食材について書きます。
目次
ひよこ豆とは
ひよこ豆はガルバンゾとも言われ、中東を中心に紀元前から栽培されて来ました。
地中海からインドまで広がり、古代エジプトや古代ローマでもポピュラーな食べ物だったと記録されています。
英語名chickpea(ひよこみたいな豆)が和名のひよこ豆の由来です。
豆の片側にひよこのくちばしのような突起があるのが特徴ですね。
ひよこ豆は栄養学的にも優れた栄養源
ひよこ豆の栄養素を食品成分表で見てみると、たんぱく質の多さだけでなく亜鉛や葉酸が豊富なことが分かります。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より ひよこ豆
亜鉛が多く含まれる食品と言えば牡蠣。
牡蠣に含まれる亜鉛は100g当たり14.0mgです。それに対して、ひよこ豆は3.2mgで豆類の大豆は4.1mg。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より 大豆
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より 牡蠣
葉酸はひよこ豆が350㎍(1マイクログラム=100万分の一グラム)で大豆が220㎍です。
葉酸が多く含まれる食品は海苔(焼きのり)1900㎍、鶏レバーが1300㎍になります。
亜鉛は遺伝子情報を伝えたりたんぱく質の合成に関わるもので新陳代謝を高めるのです。
また女性ホルモンの分泌を活性化させるミネラルです。
閉経前後から女性ホルモンが減少することによる不定愁訴が更年期症状ですが、女性は牡蠣を食べると良いと言われる所以はここにあります。
次に、葉酸ですが、葉酸はビタミンB12と共に赤血球を作る水溶性のビタミンです。
女性は、初潮を迎えてから毎月の生理で失血を重ねますし、妊娠・出産・母乳での育児の経験があれば、妊娠してから一定期間子供を育てるために自分の血を使うということになります。
もちろん、焼きのりや鶏レバーを食べる回数を増やせばよいですが、同じ食材だけを食べ続けると他の栄養素が不足したり、摂り過ぎては良くないものを摂り過ぎてしまう可能性もあります。
なので、体調や体質に合わせて食材を選んで食べる薬膳は体質改善や病気になる前のちょっとした不調を元に戻す食事として注目されているのです。
ムシムシジメジメの日本の夏の体はどうなりやすいのか
空気中の湿気が多くなる日本の夏。
体の中に要らない水分が溜まっている場合、汗や呼吸などで意識しなくても体から出すことができます。
けれども、湿気が多いと出せないだけでなく、逆に湿気が入って来てしまうのです。
浮腫みがちだったり、軟便気味や下痢しやすい場合は酷くなる可能性があります。
このタイプは消化器系が弱めの傾向があります。
つまり、水巡りや代謝が良くないのです。
湿気によりさらに溜めやすく出しにくくなるか、胃腸が弱ってせっかく食べた物が栄養になりにくく下痢しやすくなるかということです。
そして、水が溜まった体は冷えやすくなります。
浮腫んだ脚は冷えています。冷えると血行が悪くなるので更に冷えが進みます。
女性の多くは血が不足の血虚の人が多いので、冷えればもともと少ない血は流れがさらに悪くなってしまいます。
湿度が高い日本の夏にひよこ豆をおすすめする4つの理由
季節の影響から体が不調になるメカニズムが分かれば、それを予防することも可能です。
食材を使って予防するのが薬膳です。
湿度が多い日本の夏にひよこ豆をおすすめする理由は4つあります。
1.お腹を丈夫にする
大豆を初めとした豆類にはお腹を丈夫にする、本来の働きを正常にするという効能があります。
気温の高い夏は、体の中に熱がこもりやすいため冷たい飲み物や食べ物が欲しくなりますが、冷飲食を続けていると冷えと湿気に弱い胃腸が弱りやすいのです。
つまり、夏に弱りやすい胃腸機能を予防する食材ということです。
2.冷飲食や冷えで起こる下痢の緩和
胃腸が弱ると、要らない水分をしっかり排泄しにくくなります。
また、冷たい飲み物食べ物を摂ったために、一時的に機能が落ちて要らない水分を溜めてしまうことも起こります。
すると、本来尿として排泄されるものが腸に留まり下痢になることがあるのです。
ひよこ豆は冷えや冷飲食による下痢の緩和にも効果があると言われます。
これは常日頃から胃腸を丈夫にしておくということとも繋がりますね。
3.不要な水分を排泄させる
2.と関連しますが、不要な水分は本来尿として排泄しますよね?
尿量が減って浮腫む時に、小豆を食べるとトイレの回数が増えて浮腫みが軽減されることを経験された方もいらっしゃるでしょう。
これと同じくひよこ豆にも要らない水分を排泄させる効能があるのです。
4.血を増やす
先ほど、ひよこ豆の葉酸値を食品成分表からピックアップしました。
葉酸は赤血球を作るビタミンですので、これを食品の栄養を成分で分けない薬膳では血を養うと書いて「養血」と言います。
つまり、血を作る素になる効能があると考えるのです。
他の豆にはないひよこ豆に多くあるのがこの養血効果です。
人も動物なので、野菜や海藻より動物性の食材の方が親和性があると言われますが、レバーが苦手な人はどうするか?
焼きのりばかりも食べられません。
お腹を丈夫にして水の代謝をよくさせるだけでなく、女性に不足しがちな血を増やすのがひよこ豆なのです。
ひよこ豆の効能をもっと高めるカレーとサラダに合わせるおすすめ食材
ひよこ豆を日本の夏におすすめする4つの効能をもっと高める方法があります。
まず、女性のイライラやお肌の潤い、血色アップ効果を高めるためにはひよこ豆を使ったカレーがおすすめです。
ひよこ豆のカレーには牛の赤身を使います。
牛の赤身は養血効果があるので、浮腫みもあるし貧血気味だという時は牛の赤身とひよこ豆でカレーを作ってください。
また、カレーに使うスパイスには、ターメリックが欠かせませんね。
ターメリックはカレーに黄色い色を付けるスパイスですが、ターメリックには血を巡らせる活血という効能があります。
そしてカレーに使われているスパイス類の多くが、体を温める性質を持ちます。
スパイス類は、体の中にある要らない水分を温めて乾燥させるイメージです。
なので、冷えに弱い胃腸を温め機能をアップさせながら、ひよこ豆と牛肉で血を増やしターメリックで巡らせる薬膳カレーになります。
お腹を丈夫にして、体をスッキリさせるためにはひよこ豆のサラダです。
茹でたひよこ豆にコーンを入れてドレッシングで和えます。
ひよこ豆の胃腸機能を整えて浮腫みによい効能に、同様のとうもろこしの効能をプラスします。
体が極端に冷えていなければワカメなどの海藻を入れるとさらに「出す」効能が加わります。
そしてドレッシングにはお酢が使われますが、お酢には血を巡らせる効能がありますし、クエン酸は夏の疲れを癒し代謝促進効果もあります。
アラフィフ女性のために夏の代謝アップ!薬膳カレーや薬膳サラダにひよこ豆を使う4つの理由とおすすめ食材まとめ
夏の不調は湿気が原因で、主に消化器系の不調が招くものです。
これを予防したり緩和させる食材はいろいろありますが、アラフィフ女性のベース体質として血が不足している血虚があります。
血虚を緩和させながらムシムシジメジメの夏に起こりやすい不調に対応する食材を選ぶとひよこ豆がおすすめなのです。
ひよこ豆の効能をもっと高めるには、薬膳カレーや薬膳サラダの材料に、同じ目的の食材を組み合わせることです。
湿気対策をしながら不足している血を増やすひよこ豆のと牛肉のカレーやひよこ豆とコーンのサラダをぜひお試しください。
【関連動画】