3月8日(火)に『男性更年期と薬膳講座~自分のため・パートナーのため・みんなのために』をオンラインで開講 しました。
講座の副題を『家庭円満のために知っていて損はない』『自分のため・パートナーのため・みんなのため』としました。
そこには、次のような現実と男性更年期は女性更年期同様に家庭や社会でも認識して行かなければならないものだとの思いがあるからです。
・男性更年期は本人がその存在を分かっていないことが多い。
・知らないがゆえに自分の心身の変化に本人が戸惑っている。
・男は強いことに価値があると言う子どもの頃からの擦り込みのため誰にも弱音を吐けない。
・生活習慣病の原因が男性更年期と関係することに気づいていないケースがある。
・メンタルの不調を更年期と切り離してかんがえてしまうケースがある。
・若い頃と性格が変わってしまい、パートナーだけでなく子供たちからも距離をおかれる。
・家庭内だけでなく外出先で他人に対する行動にも表れることがある。
・高齢化社会の中、定年の延長や年金受給年齢の変更などから、心身の状態が優れなくても働かなければならない状況の可能性。
今まで家族のために働いてきたのに、パートナーである妻だけでなく子供たちからも距離をおかれて実質独りぼっちだとか、直ぐにキレるそのポイントが家族に分からない、家庭内だけでなく外出先でもすぐに怒ってしまうなどが現実として起こり得ます。
熟年離婚という言葉がクローズアップされた背後には男性更年期もあったかもしれません。
社会はどんどん高齢化して行きますし、その上この二年間で国もかなりの予定外の支出がありました。
企業の定年が延長され、年金受給年齢も先延ばしになるといつまでも元気に働かなければならない世の中になるかもしれないのです。
2013年、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が改定されました。
ここでは、定年を60歳から65歳に引き上げる法整備が行われ、継続雇用制度の経過措置が取られていますが2025年4月から全ての企業に適用されます。
この背景には、少子高齢化による労働力不足や、年金の財源確保の困難さ、健康寿命のが延びて働く意欲のある高齢者の増加などがあります。
けれども、誰もが若い時同様に健康かつ意欲を持って働く訳ではなく、働き続けざるを得ないケースもあるのが予測できます。
健康管理が本人や家庭だけの問題ではなく、企業や社会全体で取り組む時代になりつつありますが、その中に男性更年期も含めて考えて行かなければならないのです。
現代医学(西洋医学)でわかっている男性更年期を中医学の視点から捉え薬膳に落とし込む
現代医学(西洋医学)では男性更年期は男性ホルモン(テストステロン)が減少することが原因と分かっています。
ホルモンの存在が分かっていなかった大昔から培われて来た中医学の考え方にも男性更年期はあります。
男性更年期を考える時、忘れてはならないのは女性は「肝」に左右されるのに対して男性は「腎」に左右されるということ。
女性でも男性でも老化は腎の衰えと言うのは同じですが、女性が「血(けつ)」と関わる「肝」がカギなのに対して、男性は「腎」なのです。
女性は7の倍数、男性は8の倍数と言われる体の変化は中医学では五臓の「腎」の成長と老化を表す年代別の変化。
これを折れ線グラフのようにすると、女性も男性もそれぞれ女性ホルモン(エストロゲン)男性ホルモン(テストステロン)の変化のグラフとほぼ同じ形状になります。
「腎」の働きは中医学基礎理論でお伝えする部分ですが、腎がどんな働きを担当するシステムなのかを具体的な事象と照らし合わせることで、男性更年期を中医学的に分類することが可能です。
「腎」の衰えはベースですが、それ以外の五臓も絡んでくるためです。
分類ができたら、薬膳に落とし込んで行きます。つまり、おすすめ食材をピックアップして行くのです。
男性更年期か別の病気かを知り包括的に対応をする
男性更年期には生活習慣病やメンタル的な症状が伴います。
その症状が男性更年期なのか、単独の病気なのかはまず自分でできるセルフチェックシートを使います。
これは、国際的に汎用されている17項目のチェックシートで講座の中ではこのシートのご紹介と、シートのチェック結果37点以上の場合は一度専門外来に行くことをおすすめしました。
保険適用になる男性ホルモン(テストステロン)補充療法や、男性更年期の分類ごとの漢方薬とおすすめ食材、そして、適度な運動とテストステロンを増やす家族がお金をかけずにできる方法。
事前に知っておくことで、その時できる選択肢が広がります。
男性のパートナーである自分のため(イライラされたり当たられないように)、パートナー本人のため(自ら更年期と認めない、男性更年期を知らない)、社会全体のためにも男性更年期を知ることは大切です。
受講いただいた皆さんも、若い時とは変わってもご主人を受け止めることや声かけ、一つの方法だけでなく食事(薬膳)も含めた複数の方法に取り組むとご感想を下さいました。
家庭でも企業でも知ること、対応を考えて行く時代ですね。
ご受講くださった皆さん、ありがとうございました。