沖縄にて「まるっと沖縄薬膳講座」を開催しました

本土では寒さ増す11月に沖縄の陽ざしと海からの風に包まれて、2025年11月8日から10日まで、モーリー薬膳ラボでは「まるっと沖縄薬膳講座」を開催しました。
関西・関東・そして現地沖縄から5名の皆さまが集まり、食と自然、人と土地のつながりを体感する3日間を過ごしました。

目次

世界が注目する「健康長寿の島」沖縄

沖縄は、健康長寿者が多く暮らす場所として欧米からも注目されて来ました。

沖縄は、イタリア・サルデーニャ島やギリシャ・イカリア島などと並び、世界五大健康長寿地域「ブルーゾーン」のひとつ。
その暮らしには、薬膳の理論と響き合う多くの知恵が息づいています。

腹八分目の食習慣、植物性食材中心の食事、自然とともに暮らすリズム、地域のつながり。
それはまさに中医学の基本思想「天人合一」。
自然と人は一体であり、その土地の気候と食材が人の健康を支えるという考えそのものです。

その中でも、今年の一月に注目したことがあります。

それは、カウンセリングをお申込みくださった沖縄に生まれ育った方とのお話で「食事やお茶」などの伝統的に沖縄で食べたり飲んだりされて来たものが、薬膳の理論にかなっていると感じられたことです。

沖縄は、台風が多く暑くて湿気の多い気候やアジア各国と近いことから交易が盛んだった歴史、そしてそこから生まれた独特の食文化があります。

水田には不向きな地形が、芋・豆・海藻を中心とした食文化を育てました。

アジア諸国との交易が盛んだった琉球王国時代の名残で、昆布・豆腐・薬草など多様な食材が今も受け継がれています。

効能の高い薬草も普段の食生活に取り入れられて来ましたし、伝統的に食べられて来た野菜は強い日差しから身を守る強い抗酸化作用のあるものが多いのです。

こんな食材を使い、さりげなく薬膳の知恵が使われた食材の組み合わせで作られた料理。

それを食べている人々は、健康に暮らせないはずはありません。

現在では、食の欧米化が進み伝統的な沖縄の食事がどんな家庭でも食べられている訳ではないでしょうが、その土地でその季節に採れるものは、そこに暮らす人にその時必要な性質や効能を持っています。

それを食べて、見て、五感で感じて、現地でしか買えないものを買って帰るという「まるっと沖縄全てを薬膳の視点から学ぶ」講座となりました。

土地が教えてくれる食べる力

昔から人々が自然とともに暮らしを営んできた歴史がある沖縄北部。

やんばると呼ばれる広大な亜熱帯雨林が広がる土地は、まさにブルーゾーンの地域です。

北部・やんばるにある自然レストランでいただいたランチは、店の前の畑で採れた島野菜が主役。

太陽をたっぷり浴びて育ったゴーヤや島人参は、エネルギーが濃く、味わいは力強く感じられました。
「食べものの気(エネルギー)をいただく」という薬膳の原点が、まさにここにありました。

そして、サーブしてくださるのは75歳の現役女性、沖縄では「おばあ」と言われるお年ですが、現役も現役。

私達が訪れた時間は、お一人でできた料理を順番に配膳してくださっていました。

まさに、ブルーゾーンの代表です。

「お任せください」の意味の「まかちくみそーれ」ランチ

命薬(ぬちぐすい)としての豚肉文化

沖縄料理に欠かせないのが豚肉です。

「鳴き声とひづめ以外はすべて食べる」と言われるほど命を余すことなく大切にいただく文化。

これは薬膳の「同物同治」の考え方により、自分の体の悪い部分と同じ部位を「命の薬(ぬちぐすい)」としていただく習慣です。

アグー豚とあぐー豚の違いを事前に解説して、島野菜とともにしゃぶしゃぶで味わいました。

あぐー豚のしゃぶしゃぶ。目の前でフランベされた泡盛入りのお出汁でいただきます。

その滋味深いスープを前に、参加者の皆さんから自然にこぼれた言葉。
「これが命薬(ぬちぐすい)なんですね。」


土地の知恵が体に染みわたる瞬間でした。

市場で学ぶ「暮らしの薬膳」

今回の講座では、地元のスーパーや共同売店も訪れました。
観光地の市場とは異なり、そこに並ぶのは日々のごはんの材料やお茶。

島豆腐、月桃の葉、ゴーヤ茶、地元産の調味料など、生活に根づいた食材が並びます。

現地で効能や使い方を解説すると、「これ、家でも取り入れられそう」「薬膳の理論が実際に見えてきますね」と参加者の方々の目が輝きました。

普段はネットでしか取り寄せられない食材がスーパーや市場で気軽に手に入れられる。

こうしたリアルな台所に触れることも、旅講座の醍醐味です。

薬膳では金針菜と呼ばれる鉄分の多い食材です。別名「忘憂草」。

塩と麹が伝える「身土不二(しんどふじ)」

見学は市場だけではありません。

泡盛酒造の酒蔵見学と試飲、ぬちまーす製塩所の見学もしました。

泡盛が沖縄に根づいた理由の一つは、気候に合う黒麹が育つ環境だから。

ここでも「身土不二」。

人の体とその人が生まれ育った土地(土)とは切り離せない(二つにあらず)」

「その土地の食が、その土地の人の体をつくる」
まさに薬膳の原点、「身土不二」を体で学ぶ時間になりました。

ご参加のお一人が、「オリオンビールは蒸し暑い沖縄で飲むから美味しい。喉を潤すのに最適。寒い地域では薄く感じて美味しさを感じない。」と言われましたが、泡盛もまさにこれですね。

塩づくりでは、太陽・風・海水が調和して生まれる結晶に、自然の理を感じます。

太陽と海の風が補って巡らせる「気」

台風が近づいている時期と重なっていたにもかかわらず、3日間のうち雨に降られたのは3日目の午前中だけ。

天気に恵まれ、暑いほどの日差しと気温の中、太陽から陽のエネルギー(気)を受け取り、海からの爽やかな風とどこまでも続く青い空、見る方向や時間によって色を変える海という自然のエネルギーを十分に取り入れられました。

太陽は陽を補い、海風は気を巡らせる。

そんな自然の中に身を置くと、皆さんの表情がふっと緩み、自然に笑顔がこぼれます。

自然と伸びをしたり、普段は忘れていることも多い深呼吸をされる。

学びながら癒される薬膳を体験する旅の真髄でした。

薬膳とは、特別な料理ではなく、その土地で、その季節に採れるものを食べるという自然の摂理。

沖縄での3日間を通して、皆さんがそれを五感で感じてくださったことが、この講座のいちばんの収穫でした。

ご参加くださった皆さま、今回の企画、現地でのサポートをしてくださった皆さまに心から感謝いたします。

モーリー薬膳ラボでは、テキストを使った講座だけでなく、ワークショップや現地で体験するフィールドワークも実施しています。

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薬膳食材事典の「長寿・元気」対策食材も合わせてご覧ください。

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この記事を書いた人

「なかったことにする薬膳」と「簡単エイジングケア薬膳」でアラフィフをサポートする簡単エイジングケア薬膳講師。お惣菜でも外食でも選び方の理論が分れば薬膳になる。レシピが無くてもコツを掴んで実践できるとご好評。個人セッションも受付中。
薬膳食療法専門指導士。中医学と薬膳を学んだ後、多忙で食事が手作りできない人でも取り入れられる簡単エイジングケア薬膳講座を展開。日本全国より受講される。

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